取り扱いや加工難易度の高い金属箔は、特有の物性によりプラスチックフィルムとは違う不具合が発生します。そのため、プラスチックフィルムで培ったノウハウや要素技術をそのまま金属箔に応用することができるとは限りません。本稿では、金属箔特有のスリット加工における課題とその改善事例をご紹介します。
金属箔特有のスリット課題
金属箔は、プラスチックフィルムよりも弾性がなく塑性変形しやすいため、スリット端面のバリ(カエリ)といった不具合が生じます。また、軟らかさや延性を有するため、刃物による切れの悪さを引き起こし、ハイエッジの要因となります。
バリ(カエリ)は、刃物が金属箔を押し切る際に引っ張られて生じる不要な突起であり、後工程の異物混入や歩留まり低下につながります。
ハイエッジは、適切な刃を使用しないことや張力のバランスが悪いことで生じる端面の一部が反り上がった状態であり、巻き姿の崩れを発生させます。過去、当社の加工においても金属箔のハイエッジによる波打ちが観察され、ラミネートニップでシワが発生するという事例がありました。
金属箔特有の不具合対策
上記のような金属箔特有で生じる様々な不具合を経験し、セロレーベルでは最適な刃物の材質、形状、研磨方法の選定や加工条件の最適化に取り組んでいます。具体的な取り組みを以下に示します。
・材 質 : 普通刃 → 超硬刃
・形 状 : 鋭角刃 → 鈍角刃
・研磨方法 : バーチカル研磨 → ホリゾン研磨
・加工条件 : 刃のクリアランス(隙間)とオーバーラップ(深さ)の調整
加工速度と刃物の回転速度のバランス調整
加工材料に応じた張力設定
当社は、フィルムや紙のほかに、取り扱いや加工難度の高い銅箔やアルミ箔などの金属箔においても豊富な実績と加工ノウハウを有しています。特に金属箔とプラスチックフィルムをラミネートした複合材料の加工に強みがあり、FPC(フレキシブルプリント基板)や電磁波シールド材料などの電子部品分野でも、多くの加工実績があります。
具体的な材質、厚み、加工内容をご相談いただければ、当社の技術力を結集し、課題をクリアしながら、お客様のニーズにお応えできる、最適なソリューションをご提案させていただきます。

